2008年7月25日金曜日

ウォーターペリー・ガーデンセンターにて

ウォーターペリー・ガーデンセンターにて
イギリス ──暮らしてわかるおもしろ話 オックスフォード編

いちおう観光地というか、「めぼしい施設」のマークが地図についていたので、行ってみた。
最初は「ここ、なに?」と、あまりの何もなさにひたすら戸惑ったのだが、ショップの向こうは庭づくりの見本のような庭がどこまでも広がっていた。
誰のための庭かしら? お客はだれなのかしら? といぶかしんだが、私見では隣接するお屋敷の庭らしい。要は、ただ自宅の庭を維持しているだけでは生産性もなく、経費がかさむだけなのだから、ガーデンショップをつくり、庭の見学料もとろうという、しごく当然の考えによるものだろう。

庭自体はとくに目立つところもなく、ただ広いだけという気もするが(イギリスのガーデニングレベルから言うと中程度だろう)、日本の庭とくらべれば、やはりすごいという感想を書かなければならない。 どうもイギリスにいると庭の基準がレベルアップして、少々の広いすてきな庭でも、「ふーん、まあまあだねー」という反応になってしまう。その庭を日本でつくったら、まちがいなく周囲は「おおーっ!」と感心するだろうが。

いずれにしても3月は春のガーデニング真っ最中。あちらこちらの家で花壇の土がほじくりかえされ、肥料をたっぷりもらっている。毎夜の降露と日中の陽気で、牛フンだか鶏フンだかはすさまじい臭いとなってガーデンのみならず、町中にただよう。それでも水仙の黄色のうつくしさを見れば、それもよいかと思う。

ウォーターペリー・ガーデンセンター
日本のガーデンセンターのような演出がないせいか、
ひたすら地味で、商売根性をまったく感じられない。取り扱っている苗の種類の多さはなっとくだ。日本では手に入らない希少品種を見つけたときには思わず買ってしまいそうになった。ガーデニング大国の実力は、地味な見かけからはうかがい知れない。

風にそよぐ黄色の花束──コレオプシス

風にそよぐ黄色の花束──コレオプシス

5月からちらほら咲きはじめていたコレオプシス。
目がちかちかするほどの鮮やかな黄色い花は、町かどでもよく見られます。
それまで雑草にしか見えなかった草むらから、
とつぜん咲きはじめた黄色の花に、何度ふりかえったことでしょう。

マナーの西側は、南から北にそったラインに黄色のコレオプシスを配しています。
隣家との高い塀があり、
どうしても暗いイメージになりがちな西側を明るくするため、
あえて太陽のようなあざやかな黄色の花をならべたわけですが、
日照の関係か、外で見かけるものより開花が半月ほど遅いようです。

この花はほんとうに太陽パワーを放っているようです。
日当たりのよくない木の下でも、こい緑の中で金色のかがやきを放っています。
見ているだけで元気のでる、ビタミンカラーでもあります。
八重咲きと一重咲きの両方を植えていますが、
わたしは個人的に一重咲きのシンプルさが気に入っています。

2008年7月5日土曜日

高貴なるユリ



高貴なるユリ
春のバラが散りはじめると、色あざやかで華やかな庭は一転、清楚で凛としたユリの世界に変わります。

バラが陽気で華やかなおしゃべりお姫さまなら、ユリは清楚でものしずかな貴婦人。すらりと背すじの伸びた美しい姿で、すこしうつむきかげんになりながら、あたりに清浄な空気を放っているようです。派手な自己主張はないけれど、だまっていても目立つ人・・・そういう人っていますね?
ユリはそんな「言葉少なな美人」みたいです。

ユリといえば日本古来の「鉄砲ユリ、山ユリ、鬼ユリ」でしたが、さいきんはオリエンタル系の大輪の美しいユリが増えてきました。変わらぬ人気の「カサブランカ」から、色つきの品種ができています。

マナーでは黄色のカサブランカ「コンカドール」を植えていましたが、残念なことに土質のせいか、肥料のせいか、黄色がすっかりあせてしまいました。黄色や白、ピンク、オレンジなどのユリは元気に色鮮やかな花を咲かせてくれています。来年はコンカドールの色をもとのうつくしい黄色にもどせるよう、ちょっと「研究」してみたいと思います。